買う前には、ビー玉とタコ糸を持っていこう
ビー玉とタコ糸を何に使うのかと思われるかもしれないが、この二点セットがお客さんの貴重な財産を守るのだと思っていただきたい。戸建てでもマンションでも基本的には同じことだが、契約の前に建物や部屋を充分すぎるほどチェックしておくことがいかに重要であるかを、これまで繰り返しお話ししてきた。ビー玉とタコ糸は、そういうお客さんの基本姿勢を示すための初歩的な道具なのだ。まず、ビー玉は床でも畳でも襖のレールでも、どこにでも置けば傾き具合がわかる。ただし、パチンコ玉は重くて動きにくいから用を足さない。このビー玉があれば、土地の傾斜も判断できる。タバコの箱を地面の上に置き、その上にビー玉を乗せてころがれば、その方向に傾斜していることになる。一方、タコ糸は建物の歪み具合を測ることができる。タコ糸の先に安全ピンなどをつけ、柱の上の部分からつりさげれば、垂直かどうかを見ることができる。こういうことを、現地に案内されたときにきちんとやれば、不動産屋や売り主のいい逃れを防ぐことにつながるのだ。押し入れがピシッと閉まらない原因が、押し入れの襖のレール部分にビー玉を置いてみることでハツキリするのである。「ちょっと建てつけが悪いようで」などといって、ごまかされることはなくなる。もし押し入れのガタッキが、柱がきちんと基礎の上に乗っていないせいだとしたら、たった一個のビー玉が、家の選択という人生で重要な判断を助けてくれることになる。
